勝ち方より“プレイスタイル”が大事?あなたの行動パターンに気づく方法

「ボードゲームって、勝たなきゃ面白くないんでしょ?」

そう思っていた時期が、私にもありました。
けれど、何度もゲームを重ねるうちに、あることに気づき始めたのです。

「自分は、なぜこの選択をしたのか?」
「なぜ、この場面で焦ってミスをしたのか?」
「あの人は、なぜ今、協力してきたのか?」

勝敗よりも、「自分や他者の“クセ”が浮き彫りになる瞬間」――
それこそが、ゲームの本当の面白さであり、学びの宝庫だったのです。

この記事では、勝ち負けではなく「プレイスタイル」に注目しながら、
ゲーム中の“あなたの行動パターン”が、
実は日常や仕事でのあなたの在り方と深くつながっていることを解き明かしていきます。


プレイスタイルでわかる“あなたの思考癖”

慎重派?直感派?選び方に性格が出る

同じルール、同じ状況でも、人によって選ぶ行動はまったく違います。

『宝石の煌き』で、「あと2手でカードが取れる」とわかっていても、
コツコツ宝石を集めて確実に行く人もいれば、
別のルートで一発逆転を狙う人もいます。

どちらが良い・悪いではなく、そこに“思考の傾向”が現れているのです。

慎重にリスクを避けて行動する人は、日常でも安定性を重視し、
直感で選ぶ人は、発想力や突破力に優れているかもしれない。

プレイスタイルは、あなたの中にある「価値観の優先順位」を映し出してくれます。


勝敗よりも、どんな“場”を作るか

ゲームは勝つためのもの――そう思うと、
つい他者を出し抜こうとしたり、必要以上に競争的になったりします。

でも実際には、「誰と、どんな雰囲気でプレイしたか?」が印象に残ることも多いのではないでしょうか?

『カタン』で序盤から激しい争いを仕掛ける人もいれば、
後半まで黙々と道を延ばして“漁夫の利”を狙う人もいます。

ここに表れているのは、“協調性”や“信頼構築”の姿勢

「勝てなくても、楽しかった」「あの人とまたやりたい」
そう思わせるプレイスタイルには、
現実のコミュニケーションやリーダーシップに通じる“在り方”が宿っているのです。


感情が動いた瞬間を見逃さない

ゲーム中、思わず声を荒げてしまった。
交渉がうまくいかず、苛立ちがこぼれた。
誰かの行動に、感謝や驚きを感じた――

こうした“感情の揺れ”もまた、あなたのプレイスタイルの一部です。

人は、強く感情が動いたときに「本当の自分」が顔を出します
ボードゲームは、短時間のうちに複数の感情を経験させてくれる“濃縮された人間関係の場”。

だからこそ、その中で出た言葉や反応が、
「自分はどんなときに緊張するのか」「どんな相手に安心するのか」
といった、日常では気づきにくい“自分の反応パターン”を教えてくれるのです。

プレイスタイルは“現実の縮図”になる

職場でも出る“あなたのプレイ癖”

ボードゲームでよく見られる行動は、職場や日常でもそっくりそのまま現れます。

たとえば――
・優柔不断でなかなかターンを回せない人 → 会議での決断も遅れがち
・リスクを避けて無難な手ばかり選ぶ人 → 新規プロジェクトに挑戦しない傾向
・相手の戦略を読みすぎて自分の手を忘れる人 → 他者への過剰配慮で自分の軸がブレやすい

これらは「ゲーム内の癖=職場での思考・行動パターン」として映し出されます。

『アグリコラ』のように「限られたアクション枠を他者と取り合う」ゲームでは、
自分の計画が他人によって阻害される場面も多く、
それが“柔軟な対応力”や“失敗後のリカバリー思考”を育てるトレーニングにもなります。

自分がどんな状況で焦るのか?
他者に対してどんな期待をしているのか?
プレイスタイルの観察は、自分の“関係性のクセ”を知る手がかりになるのです。


「プレイスタイルの幅」を広げると現実も変わる

では、プレイスタイルは固定されたものなのでしょうか?

いいえ、ボードゲームの魅力のひとつは、
**「いつでも別のスタイルで試せる」**ということにあります。

たとえば、普段は慎重な人が『ドミニオン』で“廃棄戦略”を取り入れてみる。
あるいは、交渉が苦手な人が『カタン』で“あえて会話を増やす”工夫をしてみる。

こうした挑戦を通じて、
「意外と交渉って楽しいかも」
「リスクを取るのも悪くない」
といった“意識の柔軟性”が育っていくのです。

しかも、ゲームの中なら失敗しても笑い話になる。
「やってみたけどダメだったね!」で済む安全な場。

これが、現実ではなかなか得られない“試しの自由”を可能にしてくれます。

プレイスタイルの幅が広がると、現実での選択肢も自然に増える。
それはまさに、“人生のプレイスタイル”を再設計していく感覚と重なるのです。


結び|“自分らしさ”とは、プレイスタイルの選び方

あなたは、どんなプレイヤーですか?

いつも場を和ませるムードメーカー?
冷静に勝ち筋を追う戦術家?
勝ち負けよりも、全体の物語を楽しむタイプ?

どれが良い・悪いではありません。
“自分らしい”プレイスタイルを自覚し、必要に応じて変化させられること――
それこそが、今この時代においてもっとも大切な力かもしれません。

AIが進化して、ルールに従う処理はAIに任せられるようになってきた今、
人間に求められているのは「どんなルールで、どうプレイするか?」という、
“意図と態度”の領域です。

Life Nexus Labは、そのプレイスタイルの選択肢を増やすための場所。
ボードゲームを通じて、あなた自身の思考・感情・選択の“鏡”を差し出します。

勝つことも大事。
でも――

どんなふうにプレイするかが、
実はあなたの“人生の在り方”と密接にリンクしていることに、
どうか気づいてほしいのです。

ゲームの中の“あなた”が、
現実の“あなた”をそっと導いてくれるかもしれません。

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