試験勉強にも効く!?構造化記憶を鍛えるゲーム思考法

「何度覚えてもすぐに忘れてしまう…」
「試験前になると焦って、頭が真っ白になる…」

そんな悩みは、記憶力の問題ではなく、“記憶の構造”の組み立て方にあるのかもしれません。

記憶とは、ただ詰め込むものではなく、脳内に“わかりやすい構造”を作ってあげること。
実は、ボードゲームにはこの“構造化記憶”の感覚を自然に育てる力があります。

ルールを覚え、戦略を練り、流れを読み、状況を整理する。
その一連の過程は、まさに試験勉強に通じる“頭の使い方”そのものです。

この記事では、「記憶力を伸ばす」よりも「記憶の構造を整える」ためのヒントとして、
ボードゲームに潜む記憶術的な効果と、その学び方を丁寧に掘り下げていきます。


試験勉強と“構造記憶”の相性とは?

情報を「階層」で覚えると忘れにくくなる

単語や年号をひたすら丸暗記しても、すぐに抜け落ちてしまう。
そんな経験を重ねるうちに、「自分は覚えるのが苦手なんだ」と思い込んでしまう人も多いでしょう。

でも、記憶には“仕組み”があります。
ただの羅列として覚えるよりも、全体→中分類→細部といった階層構造で覚える方が、
記憶が定着しやすいのです。

たとえば歴史の年表を覚えるとき、
「時代背景」→「政治・経済・文化の出来事」→「人名や数字」…といった風に整理すれば、
どこに何があったかを“引き出し”のように思い出せるようになります。

これはまさに、ボードゲームのルールや盤面整理と同じ感覚。
構造で捉える癖をつけることで、記憶の定着率は飛躍的に変わるのです。

ゲーム中の「選択と結果」が記憶を強化する

ただ情報を見ただけでは覚えづらくても、
「この場面でAを選んだら、Bという結果になった」——
そんな体験が記憶に残りやすいのは、脳が“因果関係”を物語として捉えるからです。

この構造は、実は勉強にも応用可能。
「なぜその答えになったか?」を自分で説明できるようにすることで、
記憶は暗記から“理解”へと変わります。

ボードゲームの面白さのひとつは、プレイヤー自身が「選んで」「試して」「結果を受け取る」こと。
この循環が、記憶の“芯”を作るうえで極めて有効なのです。

記憶の定着には「自分で整理する」体験が必要

学習効率が高い人ほど、勉強の中で“自分で地図を描いている”傾向があります。
つまり、ノートや図解、マインドマップなどを使って、情報を再構成する力があるのです。

ボードゲームでも、複雑な場面を把握するには、情報の再整理が不可欠。
誰がどこにいて、何を持っていて、どう動くのか?
プレイヤーの頭の中では、常に“情報の棚卸し”が行われています。

この「整理してから覚える」感覚は、まさに試験勉強の王道でもあります。
覚える前に、つながりを作る。それが、構造化記憶の核心なのです。

ゲームが記憶の「地図」になる理由

遊びながら“情報の位置関係”を把握する力が育つ

たとえば、ボードゲーム『カルカソンヌ』では、地形タイルを一枚ずつ置きながら全体のマップを構築していきます。どこに何があるのか、あとでどう繋がるのかを想像しながら配置することで、「構造的に世界を捉える力」が自然と養われていきます。

これは、知識や記憶の「マッピング」に近い働きです。断片を無理やり覚えるのではなく、どの情報がどこにあるか、全体の中での“居場所”を把握する感覚が身につく。
つまり、記憶が「点」ではなく「地図」として存在するようになるのです。

このような空間的・構造的な思考は、試験勉強だけでなく、読解力や問題解決力にも直結します。

戦略と記憶がリンクする場面を増やす

コードネーム』のような連想ゲームでは、言葉同士の結びつきやカテゴリーを意識する必要があります。「このヒントでどこまでの範囲をカバーできるか」といった視点は、まさに“記憶のネットワーク”を活かすトレーニングです。

また、メモリ系のゲーム(『ナインタイル』『マッチマッドネス』など)では、配置や順序の記憶と即時の判断力が試されます。記憶した情報を、ただ再生するのではなく「使う」ことで、知識が“生きた記憶”へと進化するのです。

このように、記憶の「使い方」にフォーカスした遊びが、戦略思考と記憶の接続点を作ってくれます。

記憶に残る“感情のフック”を増やす

人の記憶は、感情が動いたときに最も深く刻まれます。
驚いた瞬間、笑った場面、悔しかった勝負——それらは、単なる情報以上に「体験としての記憶」を残してくれる。

ゲームにはこの“感情のフック”が多く含まれています。たとえば、接戦を制した時の達成感や、思いがけないミスの悔しさなどは、記憶に深く染み込むポイントです。

勉強も、味気ない作業の繰り返しではなく、時に感情と結びつけて記憶することで、忘れにくくなります。
「これはあのときのゲームの状況と似ている」——そんな比較記憶が脳内で活性化すれば、記憶の定着はぐっと高まるのです。


結び:記憶の“仕組み”を知れば、覚えることは怖くない

記憶力を鍛えるというと、つい反復や暗記の“耐久戦”をイメージしてしまいがちですが、本当に大切なのは「構造的に覚える」こと。
そしてその感覚は、実は楽しく遊ぶ中でこそ自然と身につくものなのです。

試験勉強や日々の学びに苦手意識を持っている人こそ、ぜひボードゲームという“楽しい訓練場”を試してみてください。

知識は構造でつながり、記憶は選択で深まり、感情によって定着します。
遊びの中でそのサイクルを体感することが、学びに対する苦手意識を取り除き、“思考する脳”をつくる第一歩になるはずです。

そして何より大切なのは、「覚えることが楽しい」と感じる経験を持つこと。
記憶とは、訓練ではなく“創造”である。
そう思えるようになれば、どんな学びも自分の力で引き寄せていけるようになります。

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